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私立不登校の○○は元の私立中学に戻る?!
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不登校のなぜ「うちの子だけ……?」
「せっかく私立中学に合格したのに」
私立中高一貫校に入学した中学1年生が、わずか数週間〜数か月で登校できなくなる。
今、そうしたご相談は、ここ数年で確実に増加傾向にあります。
「燃え尽きたのかも」「まだ慣れていないだけ」──
多くの親御さんがそう考えます。
しかし私たちは、私立中学校の復学支援に長年携わってきた、臨床経験豊富な心理職チームです。
ただ話を聞いてきたわけではありません。
すべてのケースに、心理職による徹底したアセスメント(専門的分析)を行ってきました。
支援の積み重ねのなかで、ある共通した傾向が徐々に明らかになってきました。
中1で不登校になる多くの子どもたちは、小6の受験期ですでに限界に達していた──
合格と同時に終わるサポート。始まる自己管理。
崩れていく“優等生”というポジション。
「やっと終わった」と思った矢先に、始まる“新たなレース”。
本記事では、どこでも語られてこなかった不登校の本質と、
「誤った理解が、誤った支援を生む」──その二次被害を防ぐために、
今こそ知っていただきたい“正しい見立て”と支援の道筋を、現場からお伝えします。
「私立中学に入ったばかりなのに、もう登校できない…」
そんな相談が、年々増えています。
まずこの章では、「どのくらい起きていることなのか」という実情を、客観的なデータから整理します。
文部科学省の令和5年度調査では、不登校の児童生徒数は全国で34万6,482人にのぼり、中学生だけで21万6,112人と、過去最多となりました。
特に「中学1年生の春」に不登校が集中する傾向が見られ、支援現場でもその傾向が実感されています。こうした傾向は、研究機関や自治体の報告でも裏づけられています。
国立教育政策研究所が行った全国調査によって、小学校6年生から中学1年生への進級を追跡しました。その結果、不登校の発生が最も多いのは「中学1年生の1学期」であることが明らかになっています。
この時期は生活環境や人間関係が大きく変わるため、多くの生徒が戸惑いや不安を抱えやすい時期でもあります。
出典:
国立教育政策研究所「中1不登校傾向に関する調査研究」(研究紀要 第138集)
https://www.nier.go.jp/a000110/kiyou138-16.pdf
さらに、国立成育医療研究センター「不登校白書2023」でも、不登校のきっかけとして、「入学・進級時の不適応」が中学生全体の5.8%にを占めることが報告されています。
この数字は、生活環境や人間関係が大きく変わるため、多くの生徒が戸惑いや不安を抱えやすい時期でもあります。
出典:
国立成育医療研究センター「不登校白書2023」
https://www.ncchd.go.jp/center/activity/kodomo_thinktank/pr/ima02.pdf
こうした傾向は公立中学だけでなく私立中学にも共通しています。FHEに寄せられる支援依頼でも、「私立中1・入学後すぐ」の不登校はとても多くあります。
特に4〜6月の相談が集中しており、これは単なる“燃え尽き”では説明しきれない、構造的な原因があることがうかがえます。
つまりこの時期の不登校は、「家庭や本人の問題」というより、時期的に起こりやすい現象でもあるのです。
これまで「受験疲れ」や「春先の変化によるストレス」と捉えられてきた私立中1の不登校ですが、
しかし、私私たちが20年以上にわたって現場で支援してきた経験からは、それだけでは説明のつかない実態が数多くあります。
ではなぜ、 同じように受験を乗り越えた子どもたちの中で、動けなくなる子と、そうでない子が分かれるのでしょうか?
次章では、多くの専門家が見落としている「本当の要因」──小6時点ですでに始まっていた受験不適応と、それが中学入学後にどう連鎖していくのかについて支援現場の視点から具体的に解説していきます。
「中学受験の反動で、うちの子は燃え尽きたんです」
私立中学1年生の不登校に関する相談では、こうした言葉がよく聞かれます。確かに、過酷な中学受験を乗り越えたあとに一気に力が抜けてしまう「燃え尽き」は、珍しいことではありません。
この見立て自体は、決して間違いではありません。
しかし、実際の支援の現場では、その説明だけではどうにもつじつまが合わないケースに頻繁に出会います。
たとえば、入学してわずか数日〜1週間ほどで学校に行けなくなったケース。クラスにさえ十分に馴染む前から、早々に欠席が始まっている状態です。
また、「友達もできて、最初は楽しそうに通っていたのに、GWを境に急に行けなくなった」というケースも、支援の現場では決して珍しくありません。
こうした始まり方の場合、「やる気がないから」「学校に適応できなかったから」といった単純な理由だけで説明することはできません。
むしろ多くの子どもたちは、気づかれないまま限界まで努力を重ねた結果として、不登校に至っている
──支援の現場では、そのように見立てられるケースが非常に多いのです。
「受験で出し切ったからこそエネルギーが切れてしまった」という見立ても、表面的には当てはまるかもしれません。
しかし、それだけでは、不登校が長期化するケースや、本人の自己否定感の強さを説明しきれないことが、支援の現場では多くあります。
そもそも中学受験は、単なる「努力量」の問題ではありません。
多くの場合、塾が管理する学習スケジュールに従い、親がサポートし、子どもは「言われたことをこなす」という形で進んでいきます。
このような「外部管理型」の勉強スタイルから、「自分で計画し、管理して進める」中学の学習スタイルへと切り替わる過程で、戸惑いや行き詰まりを感じる子どもは非常に多いのが実情です。
「うちの子は人間関係が苦手だから」「もともと内向的だったから」――こうした保護者の見立ても、支援の現場ではよく聞かれます。そう考えてしまうのは、これまで大きな問題なく過ごしてきたからこそでもあります。
ですが、内向的な子どもがみんな不登校になるわけではありません。自分が内向的であることを理解している子どもは、クラス内で自分なりの距離感や役割を見つけていくこともできます。
問題になるのは、「こうありたい」という理想像と、現実の自分との間に生まれるギャップです。性格そのものが原因なのではなく、そのズレを本人がどう受け止めているかが、大きく影響します。
特に、「小学校では成績が常に上位だった」「塾では優等生だった」など、高い評価を受けてきた子どもが、レベルの高い集団に入って「普通」の存在になることで、強い戸惑いや無力感を抱えることがあります。
この状態は外から見えにくく、「適応できていない」とも「努力不足」とも判断されにくいため、見立てや支援が遅れやすいという特徴があります。
中学1年生の不登校には、「いつ休み始めたか」によって、見立ても対応も大きく異なります。
たとえば、入学直後に欠席が始まった子と、夏休み明けに欠席する子では、抱えている背景やつまずきのポイントが、まったく異なります。
にもかかわらず、現場では「とりあえずフリースクール」「とりあえず本人の様子を見よう」といった、時期を考慮しない“一律の対応”が選ばれてしまうことも少なくありません。
本当に重要なのは、子どもが「どのタイミングで」「どのような経緯をたどって」不登校に至ったのかを丁寧に整理し、その子の状態に合った見立てを立てることです。
「今の状態」だけを見るのではなく、「そこに至るまでのプロセス」を見ることで、取るべき対応は大きく変わります。
ここまで読んで、「うちの子は、どこでつまずいたのだろう」と感じた方もいるかもしれません。
次章では、これまでの支援事例をもとに、お子さんの状態を整理する手がかりとして、不登校の背景にある「構造」を、できる限りわかりやすくお伝えします。
ここまで読んで、「性格の問題でも、やる気の問題でもなさそうなのは分かった。でも、うちの子にはいったい何が起きているのだろう」と感じている方も多いかもしれません。
私立中高一貫校に通う中学1年生の不登校は、「燃え尽き」や「適応の失敗」といった言葉だけでは、説明しきれないケースがほとんどです。多くの場合、いくつかの経験が重なり合いながら、静かに進行してきた背景があります。
この章では、私たち支援者が20年以上の現場経験から見えてきた内容をもとに、「なぜ今、このタイミングで不登校という形になったのか」を整理するための視点として、不登校の背景にある「構造」を5つのポイントに分けてお伝えします。
すべてが当てはまる必要はありません。1つでも「思い当たるかもしれない」と感じる部分があれば、それは大切な手がかりです。
他の記事ではあまり語られてこなかった「根本的な要因」に目を向けながら、お子さんの状態を整理するつもりで読み進めてみてください。
チェック:受験期の後半(小5の秋以降)に、転塾や退塾、疲れ切った様子や表情の硬さ、体調不良が増えていませんでしたか?
中学校に入ってから不登校が始まったように見えるケースでも、実は小学校6年生の受験期の段階ですでに限界が近づいていたケースが少なくありません。
たとえば、次のような状態が長く続いていた場合です。
・長時間の塾通いと、親による徹底管理
・「勉強だけがすべて」になりやすい生活リズム
・閉じられた人間関係(学校・塾・家庭の往復だけになりやすい)
このような生活を1〜3年続けると、「頑張っていたけど、心はすでに限界」という状態になりやすいのです。
そして中学入学という「切り替えのタイミング」で、その限界が表面化するケースが見られます。
※これは「親のせい」という話ではありません。 受験という仕組み自体が、子どもにとって限界を見えにくくすることがあります。
チェック:中学に入ってから、提出関係は本人に任せていてよく分からない方も多いですが、課題の提出が遅れる、計画は立てるが実行できない、「何から手をつければいいかわからない」または、といった様子はありませんか?
受験期の勉強は、ほとんどが「塾」や「親」によって管理されています。
スケジュールやペースも、周囲が決めてくれる環境だったご家庭は少なくありません。
しかし中学校に入ると、学習は「やるべきことを締め切りから逆算して、自分で進める」スタイルへと一気に変わります。
このギャップに戸惑い、課題を溜めてしまう、計画しても実行できないと感じる子どもは非常に多く見られます。
そして、「自分は自分のことをコントロールできない」という感覚に直面し、自信を失った結果、そこから勉強そのものがイヤになってしまうこともあります。
※これは能力や努力の問題ではありません。
チェック:「小学校時代は勉強ができるキャラだったのに」「自信がなさそうになった」「自分を過小評価する発言が増えた」などの変化はありませんか? 中学受験を通して、「私は賢い」「周りよりできる」という自己イメージを築いてきた子どもたちは、私立中学に入学した途端、その「特別さ」が失われていく経験をします。 たとえば、次のような変化が重なります。 ・小学校では当たり前だった「上位の成績」が通用しない こうした変化は、子どもにとって「今までの自分の存在意義がなくなった」と感じるほどの、大きなインパクトを与えます。 ※これはプライドが高いからではありません。 それまで「評価されていた自分」で世界を理解してきた子ほど、環境の変化に戸惑いやすいのです。 チェック:入学後しばらくしてから、疲れやすくなった、「もう十分頑張った」と口にする、テスト、勉強、成績の話、先の話(進学・将来)を嫌がる様子はありませんか? 私立中高一貫校は、6年間で大学進学を目指すことを前提とした、長期的なカリキュラムが組まれています。 中学受験を終え、「やっとひと段落」と感じていた子どもにとって、入学直後から「ここからが本番」と言われ、学習のペースが一気に加速することは、想像以上に大きなギャップとしてのしかかります。 たとえば、次のような日常です。 ・朝学習、7時間授業、頻繁な小テスト こうした状況の中で、「まだやるの?」「もうついていけない」と感じてしまう子どもが出てくることは、決して特別なことではありません。 ※これは根性や覚悟の問題ではありません。 受験を終えた直後の心身の状態と、学校側が想定するペースとのズレが生み出す、構造的なギャップです。 チェック:「自分はここにいても意味がない」「どうせ自分なんて」といった発言や、集団の中で目立たないように振る舞う様子はありませんか? 小学校では、「勉強ができる子」「先生に評価される子」など、自然と役割や立ち位置(ポジション)を持っていた子どもも、私立中学校ではその立ち位置を失い積極さを失って見えることがあります。 私立中学は、同じように努力してきた子どもたちが集まる環境です。その中で、次のような感覚を抱くことがあります。 ・「自分はできると思っていたのに、もっとできる子がいる」 この「ポジションの喪失」は、子どもの自信と意欲を静かに、しかし確実に奪っていきます。 ※これは競争に弱いからではありません。 これまで「役割のある環境」で頑張ってきた子ほど、急に立ち位置が見えなくなることに強い不安を感じやすいのです。 第3章で見てきたように、私立中学1年生の不登校は、いくつかの要因が重なり合った結果として現れることがほとんどです。 そしてその背景は、「いつ頃から休み始めたのか」という時期によって、比較的はっきりとした違いとして表れます。 ここからは「原因探し」ではなく、 支援現場では、私立中学1年生の不登校は、始まり方の時期によって、いくつかの典型的なパターンに分けて考えることができます。 この章では、実際の支援事例をもとに、よく見られる4つの「始まり方」を紹介します。 チェック:入学してから数日〜2週間以内に、「憂鬱そうだった」「怖い」「行けない」「緊張が強すぎる」と訴え始めませんでしたか? 特徴 背景の例 小学校6年生の受験期にすでに心身の限界が近づいていた場合や、第一志望校ではない学校への進学だった場合、また最初のポジション取りがうまくいかなかった場合などが含まれます。 ※「甘え」や「気合不足」ではなく、スタートラインに立つ前に止まってしまった状態です。 チェック:最初は問題なさそうに見えたのに、または最初は楽しそうにしていたのにGW明け頃から急に「行けない」と言い始めませんでしたか? 特徴 背景の例 ※周囲からは見えにくい“内側の消耗”が、限界を迎えたタイプです。 チェック:夏休み後半から、新学期の話題を避ける・準備を嫌がる様子はありませんでしたか? 特徴 背景の例 部活動と勉強の両立が難しくなり始める時期や、小学校で不登校経験がある子がペースを崩しやすい時期でもあります。 チェック:「あと少しだったのに」「もう少し頑張れば…」と思うタイミングで、急に動けなくなりませんでしたか? 特徴 背景の例 ※努力が足りなかったのではなく、努力し続けた結果として起きる不登校です。 FHEでは、単に「不登校」というラベルではなく、「どのように始まり、どの段階で止まったのか」という視点から見立てを行います。 ・タイプA:適応の舞台に立つ前に止まった 始まり方が違えば、取るべき対応も、支援の入り方も変わります。 次章では、保護者の方が「よかれと思ってやってしまいがち」だけれど、結果として支援を難しくしてしまう行動を、ランキング形式で整理していきます。
不登校が始まったとき、多くの保護者は「何か決めなければいけない」という感覚に追い込まれます。
このまま様子を見ていていいのか
何か動かないと取り返しがつかなくなるのではないか
そう感じるのは、お子さんの将来を真剣に考えているからこそです。
ただ、支援の現場で何度も感じてきたのは、
「急いで結論を出さなくてもよかったかもしれない」
という場面が、とても多いということです。
退学・転学・学習環境の切り替え・支援先の選択。
どれも大きな決断であり、間違い・正解で単純に分けられるものではありません。
だからこそ、「決める前に、一度整理する時間」が、とても重要になります。
今このタイミングで必要なのは、
「答えを出すこと」ではなく、
今の子どもの状態を、正しく理解すること
支援の現場では、
「この選択をする前に、一度相談があれば…」
と感じるケースに、何度も出会ってきました。
それは、保護者の判断が悪かったからではありません。
情報が足りないまま、決断を迫られてしまっただけなのです。
この章では、藤本が支援現場で見てきた中で、
「結論を出す前に相談があれば、選択肢が広がったケース」をもとに、
分かれ道になりやすいポイントを整理していきます。
もし今、
「何か決めなければ」と焦っている状態であれば、
どうかこの章を、立ち止まるための材料として読んでみてください。
まだ、結論を出さなくて大丈夫です。
相談することで、見える選択肢は必ず増えます。
起きやすいズレ
「もう行かない」と子どもが口にしたとき、
保護者が「退学という選択肢も考えたほうがいいのかもしれない」と感じることは、決して珍しいことではありません。
とくに、学校側から否定的な対応や厳しい言葉を受けた場合、
「このまま在籍させても、子どもが傷つくだけではないか」
と考えるのは、親としてとても自然な反応です。
ただ、支援現場で多く見てきたのは、
その言葉が本心として固まった意思ではなく、
追い込まれた状態の中で出てきた“限界のサイン”だったというケースです。
実際に、気持ちを整理する時間を取り、関わり方を調整していく中で、
「やっぱり元の学校に戻りたい」
「もう一度考えてみたい」
と、選択をいったん保留し直した子どもたちも少なくありません。
大切な視点
多くの場合、それは
「もう限界だよ」
「このままでは苦しい」
という状態を、子どもなりに伝えようとしているサインです。
結論を出す前に立ち止まってほしいポイント
もし今、退学や転学という選択肢が頭に浮かんでいるなら、
決断を急ぐ前に、一度整理してほしいことがあります。
これらを整理し直すことで、
「今、決めるべきこと」と
「まだ保留にしていいこと」
が、少しずつ見えてくることがあります。
退学は、失敗ではありません。
しかし、慎重に考えるべき選択でもあります。
「どうしたらいいかわからない」と感じたときこそ、
一人で抱え込まず、状況を整理するための相談を挟むことも、
大切な選択肢の一つです。
起きやすい反応
「せめて勉強だけでも遅れさせたくない」と思い、
不登校が始まって間もない段階で家庭教師を検討するご家庭は、とても多くあります。
それは、子どもの将来を心配する親として、ごく自然で責任感のある判断です。
ただ、受験で心身ともに消耗した直後や、
まだ気持ちの整理がついていない段階では、
子どもが
「また何かをやらなければならない」
「休んでいてはいけない」
と感じてしまい、かえって拒否感を強めてしまうことがあります。
また、不登校中に
「学校に行けない代わりに、せめて勉強だけでもできる環境を」
と整えたことで、子ども自身が無意識のうちに、
と受け取ってしまうケースもあります。
その結果、
「家での勉強」が「学校を休むための代償行為」のような意味を持ち、
登校へのハードルがかえって高くなり、
不登校が長引いてしまうこともあります。
これは、親の関わりが間違っていたのではありません。
子どもの心理状態と環境の結びつきによって、起きやすい現象です。
結論を出す前に、立ち止まってほしい視点
この見極めをせずに環境を整えると、
意図とは逆に、回復のタイミングを遅らせてしまうことがあります。
リカバリのヒント
もしお子さんが強いストレスや拒否感を見せているなら、
いったん勉強から離れても構いません。
この時期に大切なのは、
「できる・できない」よりも、
勉強が再び“自分のためのもの”として感じられる感覚を取り戻すことです。
焦りを感じるのは当然ですが、支援の現場では、
登校が安定してから学習を再開するという順番を取ることが多くあります。
起きやすい変化
不登校が始まると、ゲームやスマホの使用時間が一気に増えることがあります。
これは、多くの場合、怠けや甘えではありません。
子どもなりに、今のつらさから自分を守ろうとする自然な反応です。
緊張しなくていい。
評価されなくていい。
失敗しなくていい。
そうした安心できる感覚を、
ゲームやスマホの中に見つけているケースが少なくありません。
大切な視点
ゲームやスマホそのものが問題なのではありません。
ただ、「不登校でいること」と「強い安心感」が結びつきすぎてしまうと、
次の一歩を踏み出すタイミングをつかみにくくなることがあります。
だからといって、いきなり制限したり、取り上げたりする必要はありません。
まずは、今いちばん気になっている点について、
本人と話す時間を取ってみることからで十分です。
起きやすい変化
不登校が続く中で、子どもが自室で食事をとるようになり、
気づけば家族と顔を合わせる時間がほとんどなくなっていた、というケースは少なくありません。
これは、家族を避けたいという気持ちから起きているとは限りません。
人と関わること自体にエネルギーを使えず、
今は安心できる空間を優先している状態であることが多く見られます。
大切な視点
食事を一緒にとれないこと自体が、問題なのではありません。
無理にリビングに呼び戻そうとすることで、
家庭の中の安心感が揺らいでしまうこともあります。
関わりは、「食卓に戻すこと」から始めなくて構いません。
ハードルの低い関わりを残していくことが、
家庭の中での「つながり」を細く切らさないことにつながります。
起きやすいズレ
不登校が続く中で、
「この子には、もう学校という環境は合わないのではないか」
と感じ始める保護者の方は、決して少なくありません。
学校の話題を出すだけで強い不安や拒否反応を示す姿を見ると、
「これ以上、無理をさせてはいけない」
「別の道を考えたほうがいいのかもしれない」
と考えるのは、とても自然な親心です。
ただ、支援の現場でよく見られるのは、
「学校が合わない」という判断そのものが、
子どもの状態を丁寧に切り分ける前に固まってしまうケースです。
とくに、
「今はとてもつらい状態であること」と、
「学校という環境そのものが合わない」という結論が、
一緒に扱われてしまうと、選択肢が一気に狭まってしまうことがあります。
大切な視点
関わり方やタイミング、支援の入り方が変わることで、
子ども自身が
「もう一度、考えてみてもいいかもしれない」
と感じられるようになるケースは、数多くあります。
結論を出す前に整理してほしいポイント
もし今、
「学校はもう無理かもしれない」
という考えが浮かんでいるなら、
一度だけ、次の視点で整理してみてください。
この整理ができるだけで、
「今すぐ決めなくていいこと」と
「少し時間をかけて考えていいこと」が、
見えてくる場合があります。
「学校が合わない」という判断は、
間違いではありません。
ただし、状態を見極めた上で行いたい選択です。
迷いがある段階だからこそ、
一人で結論を出さず、状況を整理するための相談を挟むことも、
とても大切な選択肢の一つです。
ここまで読んでくださったあなたは、
すでに「どうにかしてあげたい」「間違えたくない」という思いの中で、
たくさん考え、悩み、動いてこられた方だと思います。
もしこの章を読んで、
「うちも当てはまっていたかもしれない」
「もっと早く知りたかった」
そんな気持ちが湧いたとしても、どうか自分を責めないでください。
多くのご家庭が、
情報も整理の軸もないまま、必死に選択を重ねています。
それは失敗ではなく、その時点でできる最善を尽くしてきた証です。
大切なのは、過去に何を選んだかではなく、
これからどう整えていくかです。
不登校は、やり直しがきく課題です。
親が一度立ち止まり、状況を整理し直せたとき、
子どもは驚くほど動き出しやすくなります。
一人で抱え込まず、
焦らず、順番に、
ここから整えていきましょう。
※この章に登場するエピソードは、支援現場の経験にもとに、守秘義務に配慮して一般化内容です。 「中1になってすぐ不登校になった」と聞くと、多くの人は「環境に適応できなかったのかな」「受験の燃え尽きでは?」といった、ひとつの理由に絞って考えてしまいがちです3. “できる子”のアイデンティティ崩壊
・以前は評価されていたのに、今は「普通」の存在になる
・勉強だけでなく、人間関係の中でも目立たなくなる4. 「これからが本番」と言われる現実
・家でも課題に追われて休めない生活
・長い通学時間による慢性的な疲労5. ポジション喪失──上には上がいる世界
・「前は注目されていたのに、今は誰からも見られていない」
・「クラスや学校の中で、どこにも居場所がないように感じる」第4章:私立中学1年生の“不登校の始まり方”──時期ごとに異なる4つのタイプ
お子さんの状態を整理するための章です。
すべてを当てはめる必要はありません。「これが一番近いかもしれない」と感じるタイプを探すつもりで、読み進めてみてください。【タイプA】入学直後〜4月中に始まる不登校(入学即・早期欠席型)
・入学してすぐに違和感を抱き、数日〜2週間以内に欠席が始まる
・クラスや人間関係を十分に経験する前に登校が止まる
・「緊張が強すぎる」「最初の一歩が出ない」「怖い」などの表現が多い
この時期に休み始める子どもたちは、「中学に適応できなかった」というよりも、そもそも“入っていない”感覚のまま止まってしまったケースが少なくありません。【タイプB】5月初旬GW明け〜夏休み前に始まる不登校(反動型・評価崩壊型)
・5月初旬(GW明け)〜6月頃に、急に欠席が始まる
・最初は順調に見えていたが、突然「行けない」と訴える
・担任からも「むしろうまくやっていた」と言われることが多い
一見適応しているように見えながらも、実は無理をしていたケースが少なくありません。
「話しかけられたいけれど、自分からはいけない」といった理想と現実のズレや、「もっとできるはずなのに結果が出ない」という自己評価の崩れが引き金になることがあります。【タイプC】夏休み明けに始まる不登校(リセット・拒絶型)
・夏休み明け〜9月初旬の登校再開時に登校拒否を示す
・「宿題が終わっていない」「休み明けがしんどい」と訴える
・逆に「宿題を終わらせていたのに」宿題を提出した後休みだす。または終わらせた宿題を持っても行かずに休みだす
・準備をするだけで気持ちが重くなる
学校生活で抱えていた違和感が、夏休み中に整理されないまま不安として増幅し、「戻れなさ」に変わっていくケースです。【タイプD】3学期・学年末に欠席が始まる(崩壊・フェードアウト型)
・お正月明けから欠席が始まる
・2〜3月、学年末に欠席が始まる
・それまで何とか登校していたが、最後に力尽きる
・周囲からは「乗り越えられそう」に見えていた
このタイプは、「1年間がんばり続けた末に、限界を迎えた」ケースです。
急激な成績低下がなくても、「得意だったことがうまくいかない」という本人の中の違和感が積み重なり、最後に止まってしまうことがあります。なぜ「始まり方」が大切なのか?
・タイプB:表面的な順調さの裏で自己評価が崩れた
・タイプC:休みの間に不安が増幅された
・タイプD:努力を重ねた末に力尽きた
第5章:結論を出す前に相談してほしい
第1位:退学を考えている
「退学を口にした」「退学を考え始めた」
それだけで、結論が出ているとは限りません。
第2位:家庭教師を入れようと考えている
今の子どもに必要なのは、
学力を取り戻すことなのか、
それとも
安心してエネルギーを回復する時間なのか。
第3位:ゲーム・スマホの使用が増えている
第4位:自室で食事をとることが増えている
第5位:「学校という環境はうちの子には合わない」と感じ始めている
多くの場合、子どもが拒んでいるのは「学校」そのものではありません。
拒んでいるのは、今の自分の状態で、そこに戻ることです。
第6章:よく似て見えるけれど違う──私立中1不登校の3つのタイプ
まず知ってほしい「同じ中1不登校」でもタイプは違う
しかし、実際の支援現場では「同じように見える不登校」であっても、その背景や支援の方法は異なる場合が多くあります。
この章では、私立中学1年生の不登校でよく見られる「3つのタイプ」を紹介し、それぞれの背景や支援の違いを整理していきます。
入学直後、ほとんど学校に通えないまま不登校になるこのタイプは、いわば「スタート以前から欠席する芽ができていた」状態です。
クラスの中で「居場所」を作るきっかけが持てず、自分から話しかけられない、関わりたいけれど動けないという状態が続き、「どうして誰も声をかけてくれないのか」と孤独を感じていきます。小学校では環境に恵まれ、特に困ったことがなかった子ほど、こうした変化に戸惑いやすい傾向があります。 このタイプへの支援では、安心できる環境の中で、少しずつ「関わり」を取り戻すことが大切です。
最初は学校生活に馴染んでいて見えたのに、夏休み明けから登校が難しくなるこのタイプ。
背景には、受験時代の「塾や親に管理されていた学び」から、「自分で管理する学習」への移行がうまくいかなかったことがあります。
課題が進まない、生活リズムが崩れた、自分を律せない…良くないなと自分でも感じていても、どう直していいのかがわからない。「やっていない自分」に対する罪悪感だけが膨らみ、やがて「行けない」に変わっていきます。
このタイプでは、「自己管理できる力」を育てるより前に、まずは「自己管理する意識そのもの」を構築することが求められます。
支援では、「どこがどう止まっていたのか」を本人と一緒に点検し、再構築できる感覚を育てることが鍵となります。
半年以上、まったく問題がないように見えていた子が、年明け以降に突然登校できなくなる。
表面的には「しっかり者」と見えますが、内面では無理を重ねてきた「過剰適応型」です。
「こう見られたい」というイメージを保とうと努力するうちに、自分の本音が押し込められ、心身が限界を迎えてしまうのです。 このタイプへの支援では、「自分らしさ」を取り戻すことが第一歩となります。。
このタイプの支援では、「自分で作ったセルフイメージ」が自分を苦しめていたことに気づくことが第一歩。
「こう見られたい自分」と「楽な自分」とのギャップに気づき、セルフイメージを少しずつ変容させていくプロセスが不可欠です。
これら3つのタイプは、いずれも「私立中1で不登校になった子」ですが、その背景や必要な支援は大きく異なります。
たとえば──
このように、自己理解がまだ浅い段階での「思い込み」が強まることで、不登校が続いてしまうことがあります。
親御さんもまた、子どもの言葉をそのまま受け取り「やっぱりこの子には学校が無理なのかも」「性格的に集団は向いていない」と感じてしまうことが少なくありません。
私たちは、20年以上にわたり、こうした「似ているけれど違う」ケースを丁寧にアセスメントしてきました。
子どもの言葉や態度の背景にある「見えにくいサイン」を見つけること。 それが、支援の方向性を決めるカギになります。ご家庭で見極めるのが難しいときは、遠慮せず専門家にご相談ください。
次章では、実際に訪問支援で、どのように子どもたちが再び動き出すのか、そのプロセスをご紹介します。
アウトリーチ(訪問支援)「学校に行けない」というより、「家から出られない」。そんな状態にある中学1年生の不登校には、訪問支援(アウトリーチ)が必要になることがあります。
動けない子どもへの支援では、最初から家庭に関わる訪問支援が効果的なことも多く、これは就労支援の場面でも共通しています。つまり、訪問支援は「最後の手段」ではなく、「はじめの一歩」として選ばれるべきものだと、私たちは考えています。
多くの支援で見落とされがちなのが、「本当は何が子どもを止まらせているのか」というアセスメントの視点です。
子どもが話している内容だけでは、状況を正しく把握することは難しい場合があります。 心理職による観察や家庭環境の把握・理解を通じて、的確な支援の方向性を探っていきます。
FHEでは訪問カウンセラーと教育的コーチングを組み合わせ、「本人が気づけていない障壁」を丁寧に見極めながら支援計画を立てていきます。
最近では「不登校コーチング」という言葉も見かけるようになりましたが、FHEが導入しているのは、心理職が実施する「教育的コーチング」です。
一時的な関わりや「励まし」ではなく、自己決定・自己理解・自己管理の3つの力を再構築するための支援であり、数ヶ月単位の継続的な関わりが必要です。
表面的な目標設定ではなく、「この子が本当に大切にしているものは何か」を共有しながら、「やる気」だけではなく「納得」をつくることを育てていくことを重視しています。
動けない状態にある子に「頑張ろう」は通じません。大切なのは「頑張る気持ち」が自然に湧いてくるシステムと関わりです。FHEの訪問支援では、まず教育的コーチングを通じて、本人が「自分も頑張ってみよう」と思える気持ちを引き出します。
その上で、訪問カウンセリングにより、その「頑張ろう」という気持ちを支えながら、実際の行動に結びつけていきます。
このプロセスを通じて、子どもは「支えてもらったけど、自分の力で乗り越えた」と実感できるようになります。
そのプロセスは、就労支援のひきこもり回復のプロセスと同じで、段階的な支援計画と納得を軸とした介入が必要です。中学1年生の不登校において、これは決して「過剰な介入」ではなく、「必要な一歩」です。
ゴールは「社会とつながる力」を取り戻すこと。
再登校がすべてのゴールではありません。FHEの支援は、子どもがもう一度「自分らしく社会とつながっていける力」を取り戻すことを目指しています。
はい、実際に非常に多くのケースが報告されています。多くは「燃え尽き」ではなく、中学受験の段階ですでに心理的な限界に達していたケースです。中学校そのものの問題というより、受験期の過剰な負荷やポジション喪失が背景にあることが多く見られます。
すぐに転校を考えるよりも、まずは専門家による「見立て」が必要です。不登校の背景にあるのは環境の不適合よりも、「適応できなかった経験の意味づけの失敗」であることが多く、環境を変えるだけでは根本的な解決にならないことがあります。
学習の遅れが気になる気持ちはわかりますが、本人の気持ちが整っていないまま始めると逆効果になることも。とくに成績は良くても「勉強に縛られすぎて疲れている」子は多く、無理に勉強を進めると勉強嫌いになってしまう恐れがあります。
戻るのが「難しい」というより、構造的に「戻りにくく感じる」仕組みがあるのは事実です。クラス替えがない、同学年が固定、内部進学制度の影響などがそれにあたります。ただし、正しい支援とタイミングを押さえれば、戻ることは十分に可能です。
小学校では「自然とポジションが確保できていた」子も、中学では「自分で説明しないと居場所ができない」構造になります。学力層が揃った環境で「自分の存在意義」を見失いやすく、アイデンティティの揺らぎから不登校が始まるケースもあります。
無理に聞き出すのは逆効果です。本人が理由を整理できていない場合も多く、焦って聞き出そうとすると「自己分析できていないのに何か言わなきゃ」と思い、全く違う理由を答えてしまうこともあります。まずは「話せる状態」を作ることが先です。
再発ケースは「また同じことが起きた」のではなく、「新たな適応課題」が表面化したものと考えた方が自然です。過去の経緯を活かしながら、新たなステージに合わせた支援計画を立てていく必要があります。一過性ではない可能性が高いので専門家に相談して根本的な分析が必要です。
中学1年生で不登校になることは、決してめずらしいことではありません。特に私立中高一貫校では、公立とは異なる“見えにくい構造”が背景にあります。
・受験で限界を迎えていた心と体
・小学生時代の“守られたポジション”からの喪失
・自己管理という壁にぶつかった反動
・「これからが本番」という現実へのギャップ
こうした要因は、単なる「燃え尽き」や「合わなかった」では片づけられない深いものです。だからこそ、最初の見立てがとても重要になります。
私立中学の不登校で多いのが、「勉強が嫌いになってしまった」ケース。これは、勉強の内容そのものよりも、「できていた自分しか認められなかった」自己イメージが崩れたことが原因です。
勉強の遅れは取り戻せます。でも、「嫌いになってしまった勉強」をもう一度やる気にさせるのは、ずっと難しい。だからこそ、早めの支援と「焦らず丁寧な再構築」が必要です。
不登校になったことで、「私立に行かせなければよかったのかも」と悩む親御さんもいます。でも、実は私立中高一貫校には“再起のチャンス”がたくさんあります。
・高校受験がない → 時間的な余白の中で再構築ができる
不登校支援は、大きく二つのパートに分かれます。「再登校支援(学校に戻れない状態を解除する支援)」と「継続登校支援(学校に戻れたあと適応し継続して登校できるように支援する)」の二つです。
継続登校支援では、時間をかけてきちんと適応できる期間と失敗できる期間を取ってあげることは、子どもたちの負担を軽減します。
公立の場合高校受験期間というパートがあるため、中学三年生の時間中学校での適応期間として子どもたちに使ってあげることが難しいのです。
ところが、内部進学のチャンスがある中高一貫校の子どもたちには、中学三年生の1年間をしっかり中学での適応期間として使ってあげることができるという大きなメリットがあるといえます。
・内部進学が可能 → 成績回復に焦らず“今”を立て直せる
・学力の土台がすでにある → 本人の本来の力は、失われていません
・柔軟な支援制度がある → 個別対応・段階的復帰も可能な場合が多い
・教員との関係性も安定しやすい → 信頼関係を一から築き直しやすい
このように、私立校だからこそ“回復のための環境”が整っているのです。つまずいたのは、力がなかったからではなく、支援の仕方が違っていただけかもしれません。
「しばらく様子を見ていたら、半年が経っていた」「もう少し早く相談すればよかった」——こうした声を、これまで何百件も伺ってきました。
焦る必要はありません。けれど、「今」は支援の入り口に立ちやすい時期です。
FHEでは、心理職によるアセスメントと訪問型支援を通じて、本人の心の状態・学習状態・家庭環境を総合的に見立て、無理のない再構築を支援します。
今のお子さんの状態は、「戻れない」ではなく、「どう戻るかの道筋が見えていない」だけかもしれません。
どうか、「このままでいいのだろうか」と思ったタイミングで、行動してみてください。私立という環境は、「未来を守る」こともできるステージです。
焦らず、でも一人で抱えず。正しい理解と伴走する支援で、きっと子どもは動き出せます。