【中学3年生の不登校】2025年度版 全国内申点評価と欠席の取り扱いについて

不登校の対応

中学3年生の不登校対策:内申点と欠席日数が高校進学に与える影響とその対策

中学3年生の不登校は、高校進学において大きな影響を及ぼします。特に内申点の評価や欠席日数の取り扱いが進学の可否を左右するため、不登校の子どもを持つ親御さんにとっては心配の種となりがちです。

内申点の評価基準や欠席の扱いは都道府県によって異なり、中3の成績が大きく重視されるエリアもあれば、中1・中2の成績も考慮される地域もあります。また、欠席が多い場合でも、その理由によっては柔軟な対応がされるケースもあります。本記事では、都道府県別の内申点評価の詳細と欠席日数に対する対応、さらに高校進学に向けた具体的な対策をご紹介します。

内申点の評価方法

多くの都道府県では、中学3年生の成績が高校入試の内申点に大きく影響します。以下に主要な都道府県の教育委員会の公式情報に基づく内申点の評価方法です。

配点基準は公開している都道府県

東京都
東京都の都立高校入試では、主要5教科(国語、数学、英語、理科、社会)と副教科(音楽、美術、保健体育、技術家庭)の成績が評価されます。副教科の成績は2倍にして計算され、主要教科25点、副教科40点の合計65点満点です【東京都教育委員会】。

埼玉県
埼玉県では、中学1年生と2年生の素内申に加え、中学3年生の成績を2倍にして評価します。全体の内申点は180点満点です【埼玉県教育委員会】。

神奈川県
神奈川県では、主要教科と副教科の成績を均等に評価します。具体的な配点は地域によって異なる場合がありますが、全体的にバランスよく評価される仕組みです【神奈川県教育委員会】。

千葉県
千葉県では、中学3年間の成績を総合して評価します。特に中学3年生の成績が重視されます【千葉県教育委員会】。

愛知県
愛知県では、各学年の成績を均等に評価し、中学3年生の成績が特に重視されます【愛知県教育委員会】。

大阪府
大阪府では、中学3年間の成績を総合して評価します。特に中学3年生の成績が重視されるため、この学年の成績向上が重要です【大阪府教育委員会】。

京都府
京都府でも中学3年間の成績を総合して評価し、中学3年生の成績が特に重視されます【京都府教育委員会】。

奈良県
奈良県では、中学1年生から3年生までの成績を合計して内申点を計算します。中学3年生の成績は5段階評価を2倍にして計算し、満点は144点です【奈良県教育委員会】。

兵庫県
兵庫県では、中学3年間の成績を合計して評価します。継続的な学業成績が大切です【兵庫県教育委員会】。

福岡県
福岡県では、中学3年生の9教科の5段階評価のみを使用し、満点は45点です【福岡県教育委員会】。

熊本県
熊本県では、中学1年生と2年生の9教科の5段階評価に加え、中学3年生の成績を2倍して評価します。満点は180点です【熊本県教育委員会】。

配点基準は公開していない都道府県

滋賀県
滋賀県の高校入試において、内申点は中学3年生の成績が特に重視されます。具体的には、中学3年生の2学期(または前期)の成績を使用し、主要5教科の成績を基に計算されます。滋賀県教育委員会による公式な情報を基にしています【滋賀県教育委員会】。

山口県
山口県の高校入試では、中学1年生から中学3年生までの成績が評価されます。具体的な配点については公表されていませんが、全学年の成績を総合的に評価する方式を採用しています【山口県教育委員会】。

佐賀県
佐賀県の高校入試における内申点は、中学1年生から中学3年生までの成績が均等に評価されます。詳細な配点基準は公表されていませんが、全学年の成績が反映される形となります【佐賀県教育委員会】。

長崎県
長崎県の高校入試では、内申点は中学3年生の成績を中心に評価されます。主要教科と副教科の成績を総合的に評価し、具体的な配点は各学校の募集要項で確認することが推奨されます【長崎県教育委員会】。

宮崎県
宮崎県の高校入試における内申点は、中学1年生から中学3年生までの成績が均等に評価されます。各学年の成績を総合的に評価し、詳細な配点基準は公式には公表されていません【宮崎県教育委員会】。

中学3年生の成績のみを評価する都道府県

東京都
中学3年生の成績のみが内申点として反映されます【東京都教育委員会】。

神奈川県

中学3年生の成績のみを評価します【神奈川県教育委員会】。

愛知県
中学3年生の2学期の成績が評価対象です【愛知県教育委員会】。

兵庫県
中学3年生の2学期の成績が採用されます【兵庫県教育委員会】。

その他にも、福井県、三重県、山形県、静岡県、鳥取県、福岡県、鹿児島県では中学三年生の成績のみを評価しています。

中学2年生と3年生の成績を評価する都道府県

富山県
中学2年生と3年生の成績を評価し、3年生の成績を2倍にして計算します。

奈良県

中学2年生と3年生の成績を評価し、3年生の成績を2倍にして計算します【奈良県教育委員会】。

岩手県の高校入試における内申点の評価方法

岩手県の高校入試では、内申点の評価は中学1年生から中学3年生までの3年間の成績が対象となります。具体的には、各学年の成績を以下の比重で評価します:
• 中学1年生: 1倍
• 中学2年生: 2倍
• 中学3年生: 3倍
このように、学年が上がるごとに成績の比重が増していくため、中学3年生の成績が最も重要となります。つまり、同じ評価でも中学3年生の成績が最も重視される形となります【岩手県教育委員会】。

欠席日数の評価

欠席日数が多い場合、高校入試の評価に影響する可能性があります。欠席理由が明確(家族の問題,病気)で正当な場合は、評価において考慮されることが多いです。

東京都
東京都では、欠席日数は内申書(調査書)の評価項目の一つとされ、欠席が多い場合は面接でその理由を問われることがあります。欠席理由が明確で正当な場合(病気や家庭の事情など)は考慮されます【東京都教育委員会】。

神奈川県
神奈川県でも欠席日数が評価に含まれ、特に多い場合は総合評価に影響を与えることがあります。ただし、欠席理由が正当な場合は柔軟に対応されることが多いです【神奈川県教育委員会】。

埼玉県
埼玉県では、欠席日数が多いと内申点に影響を与える可能性があります。欠席理由が明確で正当な場合は考慮されるため、事前に学校と相談しておくことが重要です【埼玉県教育委員会】。

大阪府
大阪府では、欠席日数が評価の一部として取り扱われます。特に多い場合は面接などでその理由を確認されることがあります。欠席理由が正当であれば、評価において考慮されます【大阪府教育委員会】。

奈良県
奈良県では、欠席日数が調査書の評価項目に含まれ、正当な理由があれば柔軟に対応されます【奈良県教育委員会】。

京都府
京都府でも欠席日数は内申書に記載され、評価の一部となります。欠席が多い場合は理由が問われることがあり、正当な理由がある場合は考慮されます【京都府教育委員会】。

兵庫県
兵庫県では、欠席日数が評価に影響を与える場合があります。欠席理由が明確で正当な場合
は、評価において柔軟に対応されることが多いです【兵庫県教育委員会】。

九州地方
福岡県や熊本県などの九州地方でも、欠席日数が多い場合は調査書の評価に影響しますが、正当な理由がある場合は考慮されます【福岡県教育委員会】【熊本県教育委員会】。

内申点評価と欠席日数評価を踏まえた進路選択の考え方

内申点や欠席日数の評価は、中学3年生の不登校が高校進学に与える影響を測る重要な指標です。しかし、都道府県ごとに評価方法や重視するポイントが異なるため、不登校生徒の進学を考えるうえで、柔軟で戦略的な対応が求められます。以下に、内申点評価や欠席日数評価を踏まえた考え方のポイントをまとめます。

内申点の重視度を確認し、戦略を立てる

高校入試において、内申点の評価方法は地域ごとに異なります。中学3年生の成績が大きく影響する地域もあれば、3年間の成績が総合的に評価される地域もあります。不登校の期間が長引いた場合でも、復学後の学習成績や努力の姿勢が評価される地域もあります。お住まいの都道府県での内申点評価の方法をしっかり確認し、「今から取り戻せる部分」にフォーカスして戦略を立てましょう。

中3の成績が重視される場合
復学後の学習サポートを充実させ、特に中3の成績向上に重点を置きます。

全学年の成績が評価される場合
不登校期間が中1や中2であっても、積み重ねが評価されるため、勉強を無理なく継続できるよう工夫します。

欠席日数の扱いと評価の確認

多くの都道府県では、欠席日数が内申書(調査書)に記載され、高校入試の際にその理由を確認される場合があります。欠席が多い場合でも、病気や家庭の事情といった正当な理由がある場合には、面接や書類で説明することが可能です。学校や教育委員会と密に連携をとり、欠席理由が正当であることを適切に伝えられるよう準備をしておくとよいでしょう。

正当な理由がある場合
面接や調査書での説明を通じて、状況を理解してもらうよう働きかけましょう。

不明確な理由の場合
訪問カウンセラーや学校カウンセラーと相談し、なぜ不登校に至ったのかを整理し、本人の気持ちを明確にしておくと説得力が増します。

子どもの心理的サポートを優先する

内申点や欠席日数の取り扱いを気にするあまり、無理に学校に行かせようとすると、かえって心理的負担が増してしまいます。不登校の背景には心理的な不安や人間関係の問題がある場合が多いため、まずはお子さんの気持ちに寄り添い、学校に戻れるというイメージが持てるようにサポートを優先することが大切です。家庭やカウンセリングを通じて、お子さんが「もう一度学校に行こう」と思えるように、無理のないサポートを行いましょう。

将来の選択肢を広げる視点で進路を考える

内申点や欠席日数の影響は確かに大きいですが、高校入試だけがゴールではありません。進学先の高校を選ぶ際には、通信制や定時制の高校、または不登校生徒を積極的に受け入れている学校など、多様な選択肢があることも視野に入れてください。お子さんの適性や希望に合った環境で学び直すことで、高校生活を充実させ、将来の可能性を広げることができます。

相談先やサポートを活用する

学校の先生や教育センター、カウンセラー、さらには復学支援機関など、さまざまなサポート先があります。不登校に関する対応や情報は専門家に聞くことで安心感が増し、次のステップに向けた具体的なアクションが見えてきます。親自身もサポートネットワークを活用し、適切な情報を収集することで、子どもとともに前向きに進路選択を考えられるようにしましょう。FHEでの中学生の復学支援では、単に中学校への再登校ではなく、高校受験、内部高校課程進学など次のステップを想定した復学プランをたてて支援を行っております。

正しい情報と戦略

内申点や欠席日数は高校入試において重要な評価項目ですが、正しい情報と柔軟な対応を通じて、子どもにとって最適な進路を見つけることができます。不登校の期間があっても、復学後に、「欠席していたけれど無事復帰した」ということを逆にアピールポイントにした面接対策なども今まで多く行ってきました。しっかりと取り組むことで評価に反映されるケースも多くあります。焦らずに、今できることから少しずつ取り組むことが、希望を持って前進するための第一歩です。子どもが新たな環境で自信を持ってスタートできるよう、親としてもサポートを続けていきましょう。

高校進学のための対策

個別指導の強化

不登校子どもの学習遅れを取り戻すためには、その子どもが勉強に再び取り組めるタイミングを見極めることが大切になります。当センターでは復学後すぐではなく、継続登校に慣れが出てくる状況を見極めてから勉強を進めさせるようにしています。再登校後も訪問カウンセラーを継続的に派遣し、勉強のサポートや、塾などの導入なども必要に応じて行います。

心理的サポートの充実

不登校の原因が心理的なものである場合、カウンセリングやメンタルヘルスの専門家のサポートを受けることが必要です。自己肯定感を取り戻し、前向きな姿勢で学習に取り組むための支援を行う必要があります。【厚生労働省, 2021】。当センターでは、登校準備から継続登校の支援に心理職の資格を持ったカウンセラーを派遣します。

親のサポートネットワークの利用

親が孤立しないように、親同士のサポートグループや専門家の助けを借りることが重要です。親が安心して子供をサポートできる環境を整えることが、子どもの高校進学成功につながります【文部科学省, 2022】。当センターの元クライエント様有志が取り仕切る親の会「FHE関東親の会」「FHE関西親の会」を支援しております。復学支援卒業後も親の会を通じて皆さんの情報交換の場をこれからもサポートしていきます。

希望を持って前進するために

不登校は多くの家庭にとって大きな課題ですが、適切な支援と連携によって、子どもが再び学校に通うことが可能です。FHEの包括的な支援プログラムは、心理療法としての家族療法での家庭内対応支援、訪問カウンセラーによる心理的支援、コーチング各方面からアプローチし、不登校生徒の復学をサポートします。 私たちのサービス「FHE」では、国家資格を持った心理職が3から5人でチームを作り、専属でお子さんの支援を行います。この体制により、他の支援機関では得られない安心感を提供しています。チーム全体で子ども一人ひとりに寄り添い、最適な支援を提供することで、より効果的な復学支援が可能となります。 親も安心して取り組める具体的なアクションプランを持ち、希望を持って前進しましょう。目指すべきはみんなで「いろいろ子どものためになることを考えて子育てするって大変だよねー」と笑いながら進められる支援です。

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